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茶道の歴史 (講談社学術文庫 453)
茶道の歴史 (講談社学術文庫 453)
茶道の歴史 (講談社学術文庫 453)
桑田 忠親

定価: ¥ 945
販売価格: ¥ 945
人気ランキング: 109464位
おすすめ度: 
発売日: 1979-11
発売元: 講談社
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人物に即した茶道史
本書は、戦前から自ら茶道をたしなみつつ、茶道史の研究を行なってきた国学院大学名誉教授(故人)が、日本の茶道の歴史について主要人物に即してコンパクトにまとめたものである。足利将軍に仕え茶の湯を開拓した能阿弥、仏教の人間平等観を茶の湯に導入し、それを茶道たらしめた「開山」村田珠光、新たに茶器を「発見」した「中興」武野紹鴎、茶道の大成者千利休、独自の華やかな茶道を開拓した古田織部、歌人にして寛永三筆の一人である普請奉行小堀遠州、民間に千家茶道を広めた利休の孫千宗旦、武家に茶道を広めた片桐石州、石州流大名茶の松平不昧、家元制度を備え格式化された町人茶を創り出した表千家の流れを汲む川上不白、そして近代以降の茶道――以上が本書の概略である。
本書を読むと、以上のような茶道史上の主要人物の間で、いかに多くの意見のズレがあったかがよく分かる。つまり茶道が「伝統芸能」であるとしても、それは複数の伝統を持っているのである。また著者も述べているように、茶道の基本は人と人との心の交流にあるのであって、その形式は二次的なものである。したがって著者は、茶道の形式主義に警鐘を鳴らし、批判の重要性を強調する。極論すれば、善法のように、茶の点前などしなくとも、心根さえ正しければ大茶人たりうるのである。
本書の内容の学術的意義はともあれ、以上のような著者の立場は基本的に首肯できるが、ただ著者の多用する「日本化」という言葉の含意はいまいち分りにくい。また、名物茶器についての説明は、私のように現物を見たことのない人間には、全くイメージがわかないので、できれば写真か何かが欲しかった。流派の系統図も欲しいところである。
なお、私見では、茶道の基本については、千葉猷道・さとうたかし『マンガ茶の湯入門』(平凡社、1988年)が手ごろなように思われるが、どうだろうか。
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